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ご主人様がおでかけになった後
エリカはふぅーっと一息。
さぁってと、鬼の居ぬ間にテレビテレビーー!
あ~~んもう10分も過ぎちゃったなぁ。急げ急げ。

と、そのとたん。ガチャッっとドアが開いてドッキリ・・

「うぬ?!」
「うぬ?!って・・おまえ。。 忘れ物だ。」
「あ・ああ、ああ。ええっと忘れ物^^忘れ物ですネ。
で、何を? 何をお忘れですか?」

ご主人様はニンマリなさいました。そして、
「コレだ。」
そう言ってエリカの腰を引き寄せカチャ!っと何かを装着しました。

そして
「じゃ、出かけてくる。」と言い、
エリカの頭をポンポンとしました。


あ~~~ びっくりしたなぁ もう~
危うくテレビをつける現場を押さえられる所だったわ!
で? 何かな?
エリカはご主人様が腰に付けたものをのぞき込みました。

なんとそれは・・


万歩計!!!
うぐぐぐっ・・・ やられたぁ~~

せっかく久しぶりにテレビが見られるチャンスだと思っていたのに
万歩計があったら
お仕事サボっていたらばれちゃうな・・どうしよ。
でも、ま、いっか。
テレビはちょっとだけ見て、
それから大急ぎでお仕事をすればわからないわ。うふふ^^


エリカはせっかくの可愛いメイド服も台無しに、
あられもない姿でソファに寝転んでしまったのです。
そしてTVドラマを見ているうちに、
お昼ごはんでおなかがいっぱいになっていたので
幸せ気分。
ついつい、うとうと居眠りを始めてしまいました。


そして、ハっ!!!と、気がついた時にはもう、
2時間以上経っていたのです。

エリカはリビングの時計をもう一度、確かめる様にゆっくりと見て、
それから大声で叫びました。

「やっばあ~~い!!」

どうしよう・・
万歩計はほんの5歩ぐらいしかカウントされてません。


「と・と・とにかく! 落ち着いて落ち着いて」
そう思いながらも、
ご主人様のこわ~~いお顔が浮かんでくるので
落ち着いてなんかいられません。

えーーとえっと、まずはそうだ!
お庭の草むしりをしておかないといけないんだったわ! 
夏になったら草がぼうぼうになってしまうんだったもの。
それならうーーんっと、着替えないと! 
泥だらけになってしまうもの。
エリカがバタバタと自分のお部屋に急いで行こうとしたその時、


リリリリリリリーん!!
電話のベルがけたたましく鳴りました。

ドキン! 
ご主人様からだったらどうしよう~


「も・・・しもし・・」
「エリカか。もう庭の草むしりはとっくに終わって、
洗濯ものはきちんと取り入れ畳んだか?
アイロンもかけたな?
私はもうすぐ帰るよ。約束のケーキを買ってからネ。
ところで、言いつけておいたブルーのワイシャツにも
アイロンをかけてくれたかな?
急に今夜でかける事になったのでそれを着て行こうと思うのだが。」
「・・・・」
「うん?もしもし?」
「・・・・」
「エリカ!?」
「・・・・」
「聞こえてるのか?!」
「・・は・はい! 聞こえてます!」
「なんだ、それならすぐにちゃんと返事をしなさい! 
何をぼおっとしてるんだ!で、アイロンは全部終わったかな?」
「・・・す・・すみません・・まだです・・」
「まだ? そうか。私が帰るまでには終わらせておきなさい。」
「・・・・」
「エリカ? どうしたんだ様子がおかしいぞ。何かあったのかい?」
「・・・・」
「うん? どうした? 具合でも悪いのか?」

「う・・・・は・・はい。そ・・そうそう、そうなんです。
えっと。。なんだかフラフラしてるもので・・」
「えーー!? ふらふら? 大丈夫か? 熱は? 計ったのか?」
「う。。と・・ハイ! えっとえっとなんと39度も・・ふぅ・・」
「ええーー! それを早く言いなさい!全く困った子だね。
ではすぐに戻るから、おとなしく寝てなさい!いいね!」
「あ・・・ご主人様・・えっとーー」
エリカが、もう熱は下がりましたと付け足す前に、ご主人様は
がちゃっと電話を切ってしまわれました。

「わーーーーどうしよう。。。
と、とにかくえっと。熱熱熱を出さないと!
あーーでもそんな事できるわけないわ。
あーー絶望的。もし嘘だとバレてしまったら~
うう。。でも私だって嘘なんてつくつもりなんて全くなかったのよ。。
そうよ、いきなりご主人様が具合でも悪いのか?なんて仰るから・・
ついつい。。
あーーどうしよう。言いつけられたお仕事は何一つ出来てない。
その上、嘘までついたら・・・ああーーー」



エリカはその場にへなへなと座り込んでしまいました。




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