2ntブログ


「Elly!! Are you ?
Are you in my pocket again? Oh my God!!」
Steaveは駅のホームで突然頭を抱えた。

「I'm so sorry・・・」
EllyはSteaveのシャツポケットの中から上目使いに彼をみて、
しょんぼりと言った。

1年に6回ぐらい、つまり約2ヶ月に1回ぐらいの割で、
二人にこんな奇妙な現象が起こり始めたのは、
忘れもしないあの夜からだった。

☆★☆ ☆★☆ ☆★☆ ☆★☆ ☆★☆

あぁ。。スティーヴ 
明日から1ヶ月近くも出張だなんて・・
エリーは淋しくてたまらない。

バタバタと用意をしてる彼のそばを離れず
ねーねーとまとわりついて
話し掛けたりいたずらしたりしてる。

明日の朝は早く起きて出かけないといけないと
スティーヴが早く寝ようとしても
いつまでもじゃれたりしてる。

さすがのスティーヴも なかなか寝られないので、
思わず大声でエリーを叱りつけた。

「Elly! いい加減にしなさい!
俺は明日早いから
寝ないといけない事ぐらいわかっているだろう?!」

「だってぇーー ひっくひっくひっくひっく・・・
ええええ~~~~んん!!」

エリーは大泣きする。
Steaveは、そんなEllyをしばらく放って置く。

だけど
こんな時は放っておいてももう絶対に収まらないと
彼は知っている。
優しくするかお仕置きするかのどっちかだ。

「ああ~~~っ!もう! うるさいっ!」

彼はいい加減にイライラしているので優しくなんかできない。
「静かにしなさい!」

そういって
スティーヴはエリーの腕を引っ張り体を引き寄せ、
おもむろに下着をパジャマのズボンと一緒に引き降ろし、
パンパンパンパン!!っと
立て続けにお尻を叩いた。

エリーはいきなりの事で逃げる間もなく
「あーーー!いったぁーい!」
と喚きながら猛烈に反抗したが、
スティーヴの苛立ちは頂点に達している。

エリーをがっしりと捕まえ、
平手で、右、左、右、左、
右右右右左左左左!!!

っとEllyのお尻を100回以上叩いた後、
続けざまにお尻の真ん中も叩き、

まだ足をバタバタさせて騒いでるEllyを、
なおもしっかり押さえつける。
そして
ベッドサイドの鏡台に置いてあったヘアブラシをむんずと掴み
さらに20回エリーのお尻を打ち据えた。

そして

「早く寝るんだ!」
と言った。

エリーは ポンっとベッドに落とされ
無理矢理タオルケットを掛けられ
電気をパチン!っと消されたので
目が点になった。

そして3秒後
けたたましく泣き出した。

「だってだってぇーー。
 一人でそんなに長い間いるのはイヤなんだもーん。
 エリーも一緒に行きたいー 行きたぁいー。」

「おいおい、そんな事言ったって仕事じゃ無理だろう!?」
「じゃあ、スティーヴのポケットの中に入って行くから~。
 そしたら誰にもわからないから~。
 いいでしょういいでしょういいって言って~~ わ~ん!」

「うううぅう~~!! バカ!!」

スティーヴは、これ以上喋れないほど
キツくエリーを丸ごと腕の中に押さえ込み

「もうーー! 寝ろ!」と言った。

エリーは
スティーヴの腕の中で痛いお尻を出したまま、
泣いて騒ぎ、
しかもさんざんお仕置きされて疲れてしまったので、
1秒もしない間に寝てしまった。


さて翌朝 
エリーはけろりとして、

「おはよ~^^」
と朝食の支度をし

「じゃぁ、いってらっしゃぁ~い!気をつけてね^^」
昨夜の騒ぎがまるでなかったかのような笑顔だ。

「ふぅぅ ひとまずいっか。」
スティーヴはそう思うが一応と思い、
エリーに『お尻を見せてみろ』といって検査する。

「たいしたことにはなってないな。うん、OK!」
 そう言って

「じゃ、行ってくるね~ いい子でいるんだぞ~^^
 電話するよー」

バタン!

とドアを閉めて出掛けて行く。



シーン・・・

エリーは今朝はがんばって笑っていた自分を、
『偉い偉い!だいぶ大人らしいぞぉ!』と誉めたけど

『でもな・・3週間もスティーヴがいないなんて・・
もしかしたら1ヶ月になるかもしれないって言ってたし・・』

ふうっと力が抜けて
淋しくて何もする気にならなくなった。

『今日は仕事お休みしちゃおっかなー』
などと考えながら、ぽけーーーっとしていた
その時だ!

エリーは突然、竜巻のような気流に巻き込まれ、
ひゅるひゅるひゅる~~~っ!!とさらわれて・・
そして・・気絶した。

そして気がつくと
小さな袋の中にいたのだ。

それはなんとスティーヴのシャツポケットの中だった。


それ以来
エリーが淋しくて堪らなくなり何もする気がなく
ポケ~っとしてると
エリーは《Pocket☆Elly》に変身して、
スティーヴのポケットにワープしてしまう
奇妙な現象が起こるようになったのだった。

そしてその事が幾度か繰り返されるうちに、
エリーが我慢ができないほど淋しいと
ちっちゃくなり、
また心が満たされると
いきなり ボヨン!!
っと元のサイズに戻ることがわかってきた。



☆★☆ ☆★☆ ☆★☆ ☆★☆ ☆★☆



混んだ電車の中でEllyはおとなしくしていた。
というのも、
こんな風に小さくなるには
肉体的にかなりのダメージを受けるので
1時間ぐらいはぼおっとしてしまうのだ。

電車を降り 会社まで歩く途中
スティーヴは心配そうにポケットの中を覗き込んだ。

「Elly? Are you OK? 」
「うーーん。うん? もう着いたの?」
「もうすぐ会社だよ。ところでまたいきなり淋しくなったのか?」
「うん・・・そうみたい。」

「困ったヤツだなぁ。
 頼むから会社の中では静かにしてくれよ?
 今日は午後から大事な会議もあるからさ。
 
 全くポケットエリーのせいで俺が変だって
 この頃うわさになってるからなー。
 
 一人でいるのに誰かと話してるみたいな時があるって・・。
 説明しようがないだろ? 
 誰も信じてくれないだろうし・・。
 
 せいぜい俺が最近のハードスケジュールのストレスで
 ついに参っちまったと思われるだけだからなぁ・・。」

「はい。わかった。
 ところで ねぇ スティーヴ。
 エリー おなかすいちゃった。
 スティーヴが出かけた後で
 ゆっくり朝ごはん食べようと思っていたら
 いきなりこんな・・ポケッティーなわたし・・」

エリーはちっちゃな涙をポロリ。

「ポケッティーなわたし・・って。
 何意味のわからない事を言ってるんだ。
 はぁ~っ・・エリーがポケ~っとしてるから悪いんだろう?」

スティーヴは大きなためいきをひとつつく。


「ちょっと待ってろよ~」
大慌てで近くのコンビニに駆け込み、

ウィダー・イン・ゼリー(笑)を買ってきて
エリーをつぶさないように気をつけながら
ポケットに押し込み

それからストローの先をエリーに渡した。
今までいろんなもので試した結果、
これが1番長持ちして良かったのだ。


会社にいる時、エリーは暇なので
スティーヴのシャツポケットの上に両手を掛けて
外を覗こうとする。

その度にスティーヴはエリーの頭を叩き
エリーをポケットに押し込む。


「ねーねー あそこにいる人が
 この前新しく入った変わった人って言ってた人? 
 キャハハ!うんうん確かにそんな感じだよねぇ。
 ぼーっとしてるね。
 いかにもおたくって感じじゃない?」
 
「顔出すな!って。」
「うん・・」

「あっ!そういえば昨日のテレビでねー」
「シィーッ!! 」
「はい・・。」

「ねー スティーヴ。今日は早く帰れないのぉ? 
 帰りどこかでご飯食べて行こぅよ!?」

「うんうん、わかったから。静かにね!
 また何かしでかしたら、どんなに痛いお仕置きをされるか、
 まさか忘れたわけじゃないだろう?」
「うん・・」

前回も同じように
会社でポケットエリーになってた時だ。
スティーヴの上司
(彼は他のみんなからも嫌われている猛烈嫌味なヤツなのだが)
が入ってきて、
スティーヴに向かって何やらくどくど小言を言ってた時、
ポケットでそれを聞いていたエリーは
頭に来て 我慢できずに叫んでしまったのだ。

「あのねーー! 
さっきから黙って聞いてたらいい気になってるみたいだけどねー。
あんたの方こそ、自分の仕事1つ満足に出来ない癖に
そのミス棚に上げておいて!
いちいち文句言うんじゃないわよ!!」


なーんて 言っちゃったものだから、
上司は目を白黒させて
腰は抜かすはで大騒動! 

そしてその夜
エリーは一晩中お仕置きされて、
一週間もお尻に痣が残るほど
辛い思いをしたのだ。

家に帰るなり
エリーは平手でバシバシ叩かれ、

お尻が真赤になると、
(スティーヴは滅多にそんな事はしないのだが)
リビングの壁に
エリーを固定するために取り付けられたフックに、
エリーの両手首をまとめて縛って
ひょいと引っ掛け、
「反省してろ!」といって、
外に一人で食事に行ってしまい、
エリーは1時間ぐらい放置された。

その晩はご飯も抜きで、さんざんお仕置きされた。

エリーがどんなにごめんなさい!許して下さい!と
泣いて謝っても、
スティーヴの答えは『NO!』

しっかり
エリーのお尻を突き出すように命じては、
革のスパンキングラケットや
滅多には使わない鞭で存分に叩いた。

時々
氷の入った水を
グラスいっぱいに注いできて 
エリーに飲ませては、
その冷たいグラスを
真っ赤に腫れ上がって熱をもってるお尻に当てて冷やし、

またお仕置きを始めるのだった。

エリーが立ってる事に疲れて頭がふらふらになると、
ソファの背もたれに体を預けさせ、
また延々と叩いた。
その上エリーは、
夜 ベッドに両手を縛り付けられ
そのまま朝まで解いてもらえなかったのだ。


だから・・
エリーはもう金輪際そんな失敗はしない様に気をつけていた。


でも
ポケットエリーは
スティーヴにとって悪い事ばかりでもない。

お客さんからの大事な用件を
上司に伝える事をすっかり忘れていたスティーヴに、

ポケットの中から一部始終聞いてるエリーが
教えてあげたことだってあるし、
会議の時に、
言葉につまった彼に
ナイスな助言をしてあげたことだってあるのだ。


それにしても、
もうもう退屈極まりない・・
我慢の限界だ・・
こんなに朝からポケットに入ったことは
初めてだもの。


エリーはスティーヴがちょっと屈み込んだ隙に
ぴょん!っとシャツのポケットから飛び出した。

そして後ろをそおっと見て
スティーヴがこっちを見てないのを確認すると
トコトコと部屋の中へ探検に出て行った。


ちょうどその時だ。
「きゃーぁっ! どうしよ!」
というかん高い声が聞こえた。

それはエリーがこの前から気に障っていた
あのキャシーの声だった。
コンタクトレンズを落としたというのだ。

エリーはこの女が嫌いだった。
そしてそのレンズは
ちょうどエリーの目の前にコロコロと転がってきたのだ。

机の周りにいた数人が
どこ?どこ?と彼女のコンタクトレンズを探していたが、

エリーはレンズをそおっと持ち
スティーヴの所に持って行き、
彼のスラックスの裾を引っ張る。

「げ!エリー!何でそこに!?」

スティーヴは大慌てでレンズを受け取り、
エリーを慌ててつかみ
ポケットに押し込んで、
レンズをキャシーに渡す。

「わぁお! Thanks a lot!! Steave!」

キャシーは大袈裟にスティーヴに抱きついた。

(むむむ・・外人だかなんだか知らないけどさ・・)

キャシーはわざとらしく、胸をスティーヴに押し付けた。

(うぅー・・・押しつぶされるぅー、ポケットには私がいるのよ~~)

エリーが猛烈むっとしてると、

「ねースティーヴ? 
 お礼に今晩ごちそうさせてくれない?」

キャシーはスティーヴに擦り寄ってきた。

「何言ってるんだよ。たまたまだからぁ。遠慮しとくよー」

スティーヴもちょびっと鼻の下を長くしてデレデレした顔をしてる。

(うー許せん!)

「そんなぁ。たまにはいいじゃないのぉ。」

(なんじゃこの女ぁ!
 私のスティーヴに迫るなんて!
 しっかしスティーヴも早くはっきり断れ~!)

「どうせ今日は残業ないんでしょ?」
「ないけど今日は早く帰りたいんだ。」
「なによ~ つれないわねーん」

(ね~ん? なになにその色じかけな言い方・・
 さてはコイツ、スティーヴに気があるなぁ。
 こんな事ならコンタクトレンズ
 踏みつぶしておけば良かった!くぅ~!)

「でももう決めちゃったわよ~ うふふ^^
8時に正面玄関で待ってて? 
 ね? や・く・そ・く^^」

(は!? なんて強引な女!
 スティーヴの手を取り指切りしようとしている。
 あーもう我慢できない!)

エリーは大声で叫んだ!

「ダメ~~~~っ!!!!!」

「What?」 
what?what?what???
辺りがハテナ???の空気に包まれる。

「・・・なわけなんで。ごめん。」
そう言い終わるやいなや、
スティーヴは慌てて部屋から出て行った。
そして屋上までの階段を一気に駆け上った。

「エリー!!!! 
 またヤッタなあー!ああーもうこの忙しい時にぃー!」

もの凄い顔でスティーヴは怒りながら、
ポケットの中に手を突っ込み
エリーを外に摘み出す。

それでもエリーはエリーでプンプンしてる。

「だけどスティーヴはあの女にへらへらしてたじゃない!」
「してないよ!」
「してたぁ!」
「とにかく! おとなしくしててくれ!」
スティーヴはそう言って、
エリーの口にミニバンドエイドを貼り、

どこから持ってきたのか輪ゴムで体をぐるぐる巻きにした。

「余計な事をするなと、約束してあるよな?
 大人しくできないなら仕方ないだろう? 
 今度また騒ぎを起こしたら、
 ほんっとにもう
 キツーいお仕置きだからな!気をつけろよ!」

そう言って、
どこから持ってきたのから
びーびー弾を指にはさみ、エリーに見せ、

「これをお尻の穴に入れちゃうぞ!
その上からアイスクリームの匙パドルで100叩きだ!
そうされたくなかったら静かにしてろ!」

エリーは輪ゴムでぐるぐるされている上に、
バンドエイドで口を塞がれているので
全身でイヤイヤしてるが、

ポイ!とポケットに戻される。
そしてエリーのわ~~んという声も虚しく
ポケットの中に
かき消されていった。


エリーはもう
1週間もこのポケットに入っているような、
不自由で情けなく悲しい気持ちだった。

せっかく、
スティーヴのポケットに入って
ずっと一緒に居られるというのに、
彼に迷惑ばかりかけて、
しかもこんな気持ちだなんて・・

まるで満たされた気持ちになんてならないわ・・
意気消沈して、しょぼんとしてると、

「Elly!!?」
スティーヴの明るい声が聞こえた。
「お待たせ!昼休みだぞ!?
 大丈夫か?こんな格好にしちゃってごめんな。」

そこは近くの公園だった。

スティーヴはエリーの体から輪ゴムを取り、
口からバンドエイドを剥がして、
エリーの体を指でごしごしマッサージしてたら、
チュッとエリーにkiss☆

「サンドイッチを買ってきたぞ^^ 
 ちょっと待ってろよー。
 今食べやすくしてやるからな。」

パンやチーズを小さくちぎったものを、
ちょっとずつエリーの手に持たせた。
紙パックの小さな飲み物の
ストローも口に入れてくれる。

「それにしても今日はずいぶん
 長い時間ポケッティーなんだなー。
 あぁー参ったなぁ。」
「・・・・・」

「あ・・ごめんごめん。そうだよね? 
 エリーが幸せな気持ちにならない限り
 元のサイズには戻れないんだったよね。
 うーん俺のせいかあ・・。」

「私・・・
 スティーヴとずううっと一緒いたら淋しくないって思ったけど、
 そうでもないのかもしれないね・・」

「うーん。。 むずかしいねー? 
 とにかく元気出せ!
 午後は大事な会議だから
 くれぐれも粗相をするなよ!?」

「うん・・・・でも・。また輪ゴムでぐるぐるされちゃうの?」
「どうしよっかーな・・ エリーはどう思う?」
「しなくても大丈夫だとおもう^^」
「わはは!そっか。
 ならぐるぐるの刑はもうおしまいにしてやろー^^」


午後はいよいよ長い会議の始まりだ。
エリーはポケットの外が見たくてたまらない気持ちをぐっとこらえ
耳だけダンボの耳にしている。

昨夜もスティーヴが
今日発表しないといけない事を
一生懸命考えたり発表の練習していたのを
見ていたので
エリーまでドキドキしていた。

しかしなかなか彼の番がこない。
その上、
会議の内容がまるでチンプンカンプンで退屈だ。
しかもさっき
サンドイッチをおなかいっぱいに食べたのでなんだか眠い。

そんな風に思ってる間に
すっかりエリーの居眠りが始まってしまったのだ。
ただでさえ人間がポケッティーで居る事は、
想像できないほど体力を消耗するのだ。

エリーは眠りながら
イビキをかきはじめた!
シーンと静まり返った会議室の中に、
小さいながらも、奇妙なイビキの音・・

グーグー スー ピ~~~♪

誰も言葉にはしないまでも、
何?何?何?の雰囲気だ。
出席者は全員
ちゃんと起きて座っているのに・・???

そのうちに、その奇妙なイビキの音が
スティーヴの方から聞こえてくると
皆が疑い始めたらしく
ちらっちらっと彼の方に怪訝な顔を向け始めた。

ヤバイ・・
スティーヴは他の人にわからないように
ポケットからエリーを出し、
またミニバンドエイドを
息が苦しくない程度に少し鼻にもかかるぐらいにして貼り、
そおっとポケットに隠した。

ところが・・その拍子
エリーは目を覚まし、
自分が大変な事態になっていることに気がついたのだった。

エリーは
ずうっとトイレに行ってなかった事を忘れていた。
そしてその時が来てしまったのだった。

う~~ スティーヴぅー・・・・ 
 もう漏れちゃいそ・・・
そう言おうとして、
また自分の口にバンドエイドが貼られている事に気がつく。

しかし、スティーブは
ポケットにエリーが居る事がばれない事ばかりに気を取られ、
なるべくポケットを見ないようにしていた。
そしてエリーも
彼の発表が終わるまでは
少なくとも我慢しなければと思い
堪えに堪えていた・・

そしてやっとスティーヴの番になり発表が終わり、
自分の席に戻ろうと歩き始めたとたん、
エリーの我慢の糸が切れた!

ジャー-----!!!! 
思い切り、エリーはポケットの中に・・・
「うへーーーーー!!」
スティーヴは飛び上がった。
ポケットがいきなり水びたしだー!

「ちょっとスイマセーーン!」
スティーヴは自分の席に戻らず
そのまま会議室のドアを開け
廊下に飛び出しトイレに走っていった。

「ああ~~~~~ まさかだろーー;;;」
スティーヴはしばし茫然としていた。

スティーヴは何だかとても疲れてしまい、
大きな溜め息をつくと
そのまましゃがみこんでしまった。
そしてしばらくして気を取り直し
ポケットの中をふっと見る。

するとエリーが口にバンドエイドを貼られたまま、
苦しそうにして
涙をいっぱいに浮かべた目でスティーヴを見ていた。

「ああ エリー・・・」
スティーヴはエリーの事を一瞬忘れていた。

あわててポケットからエリーを出し
急いでバンドエイドを取って、
「ごめんよ。エリー・・辛かっただろう?」
とエリーをそおっと掌で包み込む。

エリーはしくしくと泣きだす。

「ごめんね、スティーヴ・・ 
 我慢できなかったの・・
 びしょ濡れになっちゃったね・・」

「ううん。いいんだよそんなことは。
 俺こそ気がつかなくてごめん。
 苦しかっただろう?」

スティーヴはしゃがみこんだまま
両手の中にエリーを包み、
自分の顔の前にもってきた。

「でもさぁ・・どうしてこんな風になっちゃったんだろうね」
「わかんない・・・ 
 きっとエリーが淋しがり屋過ぎて、
 神さまがもっと大人になりなさい!って
 怒ったのかもしれない・・」

「そんなことないよ。
 俺がつい自分の事ばっかりで、
 エリーの事をよく見てないから、
 神さまが困らせようとしてやったんだよ。きっと。」

スティーヴはひとさし指の先で
エリーの髪を撫でた。
そして、

I love you. Elly
と、ゆっくり言った。

エリーは胸がいっぱいになり、
スティーブの手の上に座り込み両手で顔を覆った。

その途端!!

ボヨ~~~ン!!! っとエリーは大きくなり、
ワワわぁ!! 
っとスティーヴはひっくり返りそうになった。

それから二人して 
おなかを抱えて大笑いした後、
「シィーーッ!」
「シィーーッ!」
と慌てて言いながら辺りを見回し、
また口ぱくで声もたてずに、ひとしきり爆笑した。


「ふぅ。それじゃ、私、帰るね?!」
「おぅ。今日の夜はどこかに美味しいものを食べにいこうな。
 お互いへとへとだし^^」
「うん^^」
「会社終わったら電話するから」
「うん。キャシーとどこかに行かないでよー^^」
「行くわけないだろ!バカ」
「じゃあね~ あ!スティーヴ!」
「何!?」
「電車賃ちょーだい!」
「おおーー 忘れるとこだったな。
 行きはポケットエリーでただ乗りしてきたんだもんねー?
 途中でまたポケ~っとなるなよ。」
「大丈夫。一日2回もなったことないから。それに・・」
「それに?」
「スティーヴが愛してるって言ってくれたから平気ぃ^^。 
 もっと早く言ってくれたら もっと早くエリーは大きくなったのに^^」
「エーーーーー! そうだったの?」
「そう!^^」
「むーーーー!」
「でも、エリーが言ってって催促して
 スティーヴが言ったんじゃ効果ないの。
 スティーヴが自分で思って言ってくれないとー!」
「ふーん。。。そうなのか。」

「スティーヴには女の気持ちがまだまだわからないのよ べぇー」
「エリー! 
 そんな生意気な事を言ってるとまた今夜のお仕置きをきつくするぞ!」
「や!やだやだ!それじゃ、お先にぃー」

 エリーは駆け足で
 エレベーターの方に向かっていった。

その時 エリーとすれ違いざまに、
スティーヴの同僚がトイレに入ってきた。

「あれ? 今、女の人がここから出ていかなかった?」
「うん? さあ? 気のせいじゃないの?」
「気のせい? そっか??」

スティーヴはポケットを簡単に水で洗い
ハンカチで拭いていた時に、
ポケットの中にエリーのミニミニパンツが、
置き去りにされているのを発見した。

(あいつ~~っ! おしっこパンツを脱ぎ捨てていきやがったなー! 
 ん? ということは? 今・・ノーパン?
 ガァア~~!お仕置きだー!
 でもやっぱりポケットエリーを叩いてもつまらないもんなー
 やっぱり大きなお尻じゃなくっちゃー。
 ああー神さま、エリーがもうポケッティーになりません様に!! アーメン!)

「おっとヤバイ。会議中だったんだぁー。」
スティーヴは慌てて会議室へ戻っていったのだった。

そんなわけで、
今日の所は、めでたしめでたし。

とっぴんぱらりのぷー♪



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