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團野原先生


いつも習っているピアノの先生が
しばらく海外へ演奏旅行に行かれるというので、
その間だけ別の先生を紹介された。

今日は始めてその先生のお宅へ伺う日だ。

「一人で大丈夫?やっぱり最初だけでも一緒に行こうか?」
母が心配して玄関までついてくる。

「やーねぇ。いくつだと思ってるのよ。全然平気だって。任せて!」
そうは言ったものの、やはり随分緊張してるのがわかる。

電車を2つ乗り換えていけるその先生のお宅はそれほど遠くはない。
駅を降りると、書いてもらった地図を片手に15分ほどの道を歩き、
大きな家の前で足を止めた。

「團野原」 と書かれた表札を、
難しい字だなぁ、とじぃっと見ながら、一回深呼吸する。
それから表札の横の呼び鈴をぎゅーーっと一回押し、
声がするのを待った。

何の反応もない・・・ 
うん? 今日じゃなかったのかな?
私はバッグから手帳を取り出し日付と時間を確認する。
そしてもう一度、呼び鈴を押して待った。

しばらくして、いきなり がちゃ!っとドアが開く。
「あ! 團野原先生ですか? えっと私・・」
「待たせてすまない。
まだレッスン中だったものだから。まあ入りなさい。」
そう言って、奥に入っていってしまった。

私は慌てて
「はい!失礼します!」
と言って中に入り広い玄関ホールに驚く。

スリッパ入れにすごい量のスリッパが並んでいる。
靴をそろえて脱ぎスリッパを自分で抜きとって履き、
先生が歩いていった方の廊下を歩いていく。


「しかし大きなお家・・」
かすかにピアノの音が聞こえてくるドアを引っ張る。
防音のドアはとにかく重い。
ぎーーっとあけ、もう一枚中にドアがある。
そのドアを開けた。

グランドピアノが2台並ぶレッスン室は、
男の先生らしくシンプルな感じだ。

いつも習っている先生は女の先生なので、
レースのカーテン越しに花が飾られ、
可愛がっている猫の写真などが飾られていたり、
ヨーロッパで買ってきたアンチークな置物やらなにやらで
ごった返しているので、
この黒を基調としたダンディーな部屋にちょっとドキンとした。

でも今思うと、
もしかしたらもうその時点から、
私は少しくらくらきていたのかもしれない。

それは、そこに置いてあるいくつもの椅子やらソファのせいだ。

全て本革張りの物で、
その匂いのせいで、私はちょっと平静心を失っていたのだ。
部屋ではまだ前の生徒がレッスンを受けていた。


レッスン室の壁いっぱいに、
大小サイズの違う引き出しがいくつもついた棚が
備え付けられている。

その横に、楽譜を収納しているらしい棚があり、
その横に、レコードやらCDがずらーっと並んでいる。
とてもきちんと整頓されていて、埃ひとつないといった感じだ。


涼しい部屋の中で少し私の息が整った頃、
前の生徒が帰っていった。

「さてっと。お待たせしたね。エリカ君だね?
みどり先生もいろいろお忙しいようで、ご活躍だね^^」

團野原先生は
ゆっくりと近くの椅子に腰掛けながら話し始めた。
始めてみせた温和な笑い顔にほっとする。

「はい。この度はお世話になります。よろしくお願いします。」
「うん。まあね。
今日は君の演奏をちょっと聞かせてもらうかな?
それから今後レッスンをしてあげられるかどうか、決める事にしようか。」

えっ!うそ・・そんなぁ。
見てもらえない事もあるの?げげげ。ヤバイ!

「はい・・お願いします。」
「それじゃ、今日は何を持って来たのかな? 弾いてごらん。」

私は猛烈にあがりながらも
ようやく10分程度の曲を弾き終え、
先生が何と言うか緊張しながら待っていた。

「そう・・・ うんうん。
 君はなかなかのロマンチストのようだね。
 自由奔放な感じも良い。
 君には音楽を感じるよ。
 みどり先生がおっしゃっていたとおりだ。」

私は
とりあえずそんな言葉に少し安堵する。


「しかし・・何ていうかな?そうだねぇ・・
もう少し音楽を丁寧に勉強しなければいけないな。
気分だけじゃ人には伝わらないんだよ。わかるね?」

「はい・・」

「もっと自分の音をよく聞きなさい。そして
細かい練習を怠らずに何度もさらわなければいけない。」

「はい。」

「君はどう思ってるの?」

「え・・・?」

「だから、君は真面目な気持ちでもっと上手になりたいのかどうかって事だよ」

私の頭は少し混乱する。
だってそんな当たり前の事を訪ねてくるなんて、
聞いた事もない。

「はい。勿論です。もっと上手になりたいです。」

これじゃまるで、小学生みたいじゃない・・
何だか自分の言った言葉が恥ずかしくなって、うつむき加減でいる。

「その気持ちに偽りはないんだね?」

妙にゆっくりしたテンポで、
マルカート(一音一音はっきりと)で先生は話している。

「うん?はい。お願いします。レッスンしていただけますか?」

「よろしい」

先生はしばらく沈黙をしている。
私はどうゆう態度をとっていたらいいのかわからなくドギマギしていた。


「では、立ちなさい!」

いきなり先生が大きな声を出した。

私はびっくりしてピアノの椅子から落ちそうになった。

「あそこに行きなさい。」
「あそこ・・・?」

先生が指をさしている窓のそばに、
大きめの黒い革張りの横長の椅子らしきものがある。
そこかな?

「早く行きなさい!」

私はあわてて歩いていった。
先生は顔色を変えない。
何だか人が変わったみたいだ。

「今日の罰だ。
 その椅子は
 今後毎回君が罰を受ける為に、お尻を出す場所だ。
 毎回来て一回弾き終えたら、
 すぐにそこにうつ伏せになり、
 私の方に向かってお尻を差し出し
 待っていなさい。
 のろのろしてると罰が増える上に、
 もうその日はレッスンをしないからね。
 
 さあ、それではこれから君は今日の練習が足りなかった分、
 お尻で罰を受けるんだ!
 わかったら早く用意をしなさい!」


私は近づいてその台を見る。
うそでしょ、
うそでしょ・・
わーん、この先生変態なのかしらー
どうしよどうしよー。お母さぁ~ん・・・


「嫌ならすぐに出て行きなさい!」
と怒鳴られ

「いえ!」
私は急いでお尻を先生の方にむけ、
やっとのことで、
その椅子の上にかがみこむ。

「もっと深く頭を下げなさい!そしてお尻を突き出す!
 スカートも捲り上げなさい!早く!」


ヒュッ!!

え? 何の音? まさか・まさか!
わ! そう思う間もなく、

ピシィーーーー! 私のお尻は鞭で叩かれた。
ウッ!! 痛ったあぁああいぃーーーーーー!
いつの間に先生は鞭なんか持っていたの?

ピッシィーーーー! あぅーー!
いやいやこんなのこんなのー(涙・涙・涙!)

パシぃーー!!

バッシーーン!!

うわうわうわあああんん。痛いよー!

「今までのような心構えでレッスンを受けにくるようなら、
これからこんなもんじゃないから、よく覚えておくんだ!」

バッシーーー! あーーー!!
バシーーーーン! ううーーーーー・・・

「今日は初めてだから、
 下着も降ろさずに優しくしてやってるが
 今度から、その椅子で罰を受ける時は
 ちゃんと下着も降ろしなさい!
 わかったね!?」


こ・こ・これで優しくぅ!!??
ううううっそでしょう~~あああーー。

「こら!お尻を動かさないでちゃんと突き上げていなさい!」

ビッシィーー!! ぁ・ぁ・ああー!

「私は君には特別なレッスンが必要だと思っている。
 何故なら君には何かセンスを感じるからだ。
 こうやってお尻に叩き込みながら
 君の面倒を見ることは
 君への愛情なのだから、
 そのことをよく理解し感謝するんだよ。」

「・・・は・はい! ありがとうございます・・」

え? わわわ。何で私ありがとうだなんて
言っちゃったんだろう・・うぅ。

「よし、今日はこれまでだ。そのままちょっと待ってなさい。」

先生は部屋を出て行くと、
すぐに冷たく冷やしたタオルを持って戻ってきて、
それをゆっくりと大きく広げ、
真赤に腫れたお尻にかけてくれた。

「来週は2楽章と3楽章も見てきなさい。
 ミスタッチをしたら
 すぐにお尻に鞭だからね。
 今度から私のレッスンも本格的になるから、
 覚悟して来なさい。
 あそこの引き出しには
 お仕置き道具がたくさんしまってある。」

先生はしばらく私の後ろに立ったまま、
じっと私の真赤になったお尻を見ていた。

「それではしばらくそうしてなさい。
 落ち着いたら帰っていいから。
 声はかけなくてよろしい。」

そう言って先生は部屋から出ていった。



それが第一回目の團野原先生のレッスンだった。
あの時は、
あの日のお仕置きは、目から火が出そうなほど過剰なものだと
思っていたが、
とんでもなかったのだ。

その日から始まった團野原先生のお仕置き付きレッスンは、
今ではもう人には言えないほど、
それはもう厳しいものとなり、
次のレッスンに行くまで、
お尻の痣は消えない事の方が多い・・

その分私のピアノの腕も上がったのなら良いのだが。。
先生の鞭の腕の方があがったのではないかと、
もしも言ったら
きっと、その日は帰してもらえないほどの罰を受けるであろう・・


そしてみどり先生が帰ってくるまであと半年残っている。




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      あとがき
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実際に私がピアノのレッスンの時に受けたお仕置きは小学生の時です。
必ずこの次は練習していくと先生に約束していたのに、
次週あんまり練習していかなかったので、
先生に机に手をつかされて手でお尻をスカートの上から
ポンポンっとたった3発だけ。
軽く叩かれた事がありました。
その時思いました。
もっとぶって、もっと強く。って・・ 
変な子だぁー。
この小学生のときに習っていたピアノの先生との思い出は変わったもので、
まだ他にもあります。
いつか思い出のコーナーででも書きます。

それから大学生の時に、これはお仕置きじゃないけれども、
たった一回だけレッスンをして下さった男の先生に、
あまりにも何度先生が注意しても私の弾き方が良くならないので、
先生がちょっと癇癪をおこし、「違う!」と言って、
ぴしゃん!!と私の手を叩きました。
それは紅くなるほど相当痛いものだったので、
私はもうパニックになりました。
つまりちょっぴり感じちゃったんです;;;
困った子ですよね。
おうちに帰って、そんな事で感じちゃうなんて・・・と、
本当にお仕置きされたいなー。

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